2023-24 STMダブル760K ②結果まとめ

第2回 OSJ特別戦 KOUMI100 2015





第2回 OSJ特別戦 KOUMI100 2015


【概要】

《日程》
10/9(Fri) 13:00-17:00 前日受付
10/10(Sat) 5:00スタート
10/11(Sun) 17:00終了

《天候》
10/10(Sat)
晴れ☀︎→曇り☁︎
平均気温8.6℃(最高14.6℃ 最低1.3℃)
降水量0.0mm

10/11(Sun)
→晴れ☀︎
平均気温10.7℃(最高15.3℃ 最低8.1℃)
降水量 計9.0mm
(長野県野辺山 気象庁ホームページ)


《コース》
100マイル(約160km)
累積標高約+9000m
長野県小海町松原湖周辺の周回コース
約32km×5周

コース図&高低差図

一周計32km
(舗装路区間計約16km・林道区間計約9km・トレイル区間計7km)

舗装路区間A(約2km)→林道区間B(約5km)→舗装路区間C(約5km)→トレイル区間D(約7km)→舗装路区間E(約2km)→舗装路区間C(約5km)→林道区間F(約4km)→舗装路区間A(約2km)

《result》
31時間45分22秒
総合 20位/150人?
30代男子 9位

《装備》
〜ウエア〜
プリトビッツェM大会Tシャツ
ショートパンツ (Kalenji)
アンダー(Under Armour)
靴下 (drymax)
アームカバー(CW-X)
ゲイター(CEP)
シューズ trailrock245(inov-8)
キャップ (ARC'TERYX)
ザック SJ ULTRA VEST 2.0(Ultimate Direction)
ポーチ QUANTUM(ultrAspire)
レインウエア パーサライトジャケット&パンツ(mont-bell)
ヘッドライト トレイルランナー2(SILVA) & ギズモ(BlackDiamond)
シンプルハイドレーション
ボトル(Ultimate Direction)
ソフトフラスク250ml×2(salomon)
予備電池
救急セット
エマージェンシーシート(SOL)
熊鈴



〜食糧〜
パワーバージェル×12
ハニースティンガー×10
shotz×10
自作ジェル(DAKARA・粉飴計250g・アミノ酸5袋・クエン酸・食塩)

※結局ジェルは計22個使用

《宿泊地(キャンプ地)》
※OSJ大会関係者曰く選手駐車場等でのテント泊は禁止の模様

《温泉》
※松原湖高原キャンプ場宿泊者は500円→300円


【前日 10/9(Fri)】

朝7:00頃
パイセンカーで出発

名阪国道・中央道を乗り継いで大阪から約6時間(汗)

KOUMI100は4周目、5周目にペーサーをつけることが可能なのでパイセンのペーサーをするパルさんとオレのペーサーをしてくれるハズだったミフィオと計4人で現地へ。ミフィオは先日の足のケガでペーサーができなくなったがサポートとして来てくれた♪

朝マックw

駒ヶ岳SAでランチタイム

バンド John Deere 結成

16時過ぎ
受付会場である松原湖観光案内所

人の少なさにビックリ

大会Tシャツはpatagonia♪

選手専用の駐車場でテントを張るつもりだったが、大会関係者に聞くとテントは厳禁とのこと。以前にもテントを張っている方がいて地元の方から苦情がきたとか。なので、急遽近くのオートキャンプ場へ。(選手専用駐車場にテントを張られている方は数名おられましたが・・・)




16時半頃

薪を買って喜ぶ3人

テント設営後は
前夜祭(17:30-18:30)が行われる受付会場の松原湖観光案内所

続々と猛者が集まる

OSJ滝川さん(左)によるブリーフィング

OSJにしては豪華過ぎるオードブル(笑)

豚汁まであるがな(笑)

うめー(酔)
※ちゃんとコース説明は聴きましょう。

前夜祭終了後は八峰(やっほー)の湯

やっほーーーい!

キャンプ地に戻って宴会開始

この時期焚き火は必須

結局22時頃就寝

焚き火じじぃ「おやすみー」


【レース1日目 10/10(Sat)】

《スタートまで》
深夜2:45頃起床

朝飯はやっぱり赤飯とみそ汁

4:00過ぎ
スタート会場である松原湖高原スケートセンターへ到着

ヒマ兄も合流して「ひゃっほい」

パルさんとミフィオも

パイセンと完走を誓い合う

そして・・・



1周目 約4時間15分》
5:00スタート!!
まだ夜が明けない暗闇の中へ総勢約150人の猛者達が勢いよく飛び出して行きました。


まずは2kmちょっとの舗装路区間Aを走ります。

徐々に夜が明けてくるのですが、その美しさのあまり思わずケータイを取り出してシャッターを切りました。これが自身唯一レース中に撮った写真です。


民家を抜けると林道区間Bへ入って行きます。徐々に勾配がきつくなってきますが、まだ足が元気なので思わず小走りで走ってしまいました。周りのランナーは8割ほどが登りは歩いていましたね。今思えばきつい登りは歩けばよかったと反省しています。林道区間を5kmほど進むと第1エイドへ到着です。

第1エイドは帰りにも通るので第4エイドと一緒です。ここには水やコーラ、スポーツドリンク、みそ汁、ラーメン(レース後半)などがありました。

第1エイドからはまたも5kmほどの舗装路区間Cに出ます。一気に下って少し登る感じです。下りであまりの気持ちよさについつい飛ばしてしまいました。キロ5を切るペースで走ってしまいました。ここも今思えば反省ですね。舗装路は足を痛めるので気をつけなければいけません。下りきったあとは少しだけ登ると第2エイドへ到着です。

第2エイドも帰りに通るので第3エイドと一緒です。第2エイドは先ほどの第1エイドと同様に水、コーラ、スポーツドリンク、みそ汁がありました。確か最初の1・2周目のみパワージェルとパワーバーがあったように記憶してます。

この第2エイドを通過してしばらく登るといよいよトレイル区間Dの入口にやってきます。このトレイルの登りは鬼登りです。標高差約700m近くを約3kmほどで登るわけですから恐ろしいほどの斜度。もちろん走れません。やはり周りはトレイルランナーが多いのか、登りになっても全くペースが落ちません。自分は最近山での練習ができてなかったので必死で前のランナーについて行きました。するとコース最高地点へ2時間15分ほどで到着。ここは標高2170mほどです。最高地点ですが別に山頂ではなく登山道の途中なので全く展望はありません。せっかく2000m超まで登ったにも関わらずレース中一度もそこからの景色を楽しむことはできませんでした。最高地点からは下りです。これもまた急な下りなので飛ばせません。序盤で足をケガするのは避けたかったのでかなり慎重に下りました。一気に高度を下げると笹のエリアに入ります。ゲイターが必須装備ですね。一部では肩の高さくらいまで笹があったので気をつけなければなりません。そしてスキー場のゲレンデエリアを過ぎると、ようやく走りやすいトレイル区間へ出ます。気持ちよく走るとあっという間に舗装路へ。ここまでトレイル区間は計約7kmほど。

舗装路へ出ると行きに通った第3エイドまで比較的平坦な舗装路区間Eを走ります。

そしてこの第3エイドからは先ほどの舗装路区間Cを逆走し第4エイドへ向かいます。今度は逆に登りなので下ってからの舗装路登りはかなりきついです。しかも距離が長い登りなのでかなりダメージを受けます。

そして第4エイドからは約4kmの林道区間Fに入ります。ここは行きの林道区間Bとは異なるコースで、砂利が多くテクニカルなコースです。スピードをあげると足にかなりの負担がかかりますが、一周目は調子に乗ってガンガン走ってしまいました。

そして始めの舗装路区間Aへと戻るとそのままスタート会場まで走ります。パルさんが遠くで手を振っているのが見えると嬉しくてピョンピョン飛び跳ねながら戻ってきました。まだ1周目。タイムは4時間15分。トップ集団は3時間30分で戻ってきた模様。その中にパイセンもいるらしい!!今考えるとこの時はめちゃくちゃ元気でしたね(汗)

1周目終了!!



2周目 4時間45分》
OSJの滝川さんが帰ってきた選手のタイムなどをアナウンスしてくれていたのですが、ほとんどのランナーが4時間台で1周目を終えたらしく、「このまま行けば21時間台のランナーばかりだ!!UTMBで入賞できるぞー!!笑」とおっしゃっていたのが印象的です笑

1周目を終えるとミフィオがカレーを作って待っていてくれました!ランナーのために具材を細かくカットしてくれるという徹底ぶり。ほんとはバクバク完食したかったのですが今後のことも考えて少しだけ頂きました!!※残ったカレーはパルさんが美味しく頂きました。

うまぁぁああ 1 

9:30頃
2周目をスタート!!

まだまだ足は元気です。重さは全く感じません。むしろ調子がいいほどです。1周目は真っ暗だったので2周目になってようやくコースの全容が見えてきました。舗装路区間、林道区間ともに登りは歩きを入れながら走りますが、一周目とそれほどペースが変わってない感じでした。

しかしトレイルの登りで1周目との違いが少しずつでてきます。馬力が出ないというか前のランナーになかなかついていけません。しかし足を止めるほどではなく、最高地点についてからの下りからは遅れた分を取り戻すかのようにスイスイ下っていけました。

他のランナーとおしゃべりをしながら、それほど失速することなく気持ちよくスタート会場まで駆け下りてきました。タイムは4時間45分くらい。

パルさんとミッフィーさんが出迎えてくれました♪

ひゃっほ〜い



3周目 5時間50分》
サポーターのミフィオがソーメンを作って待っていてくれました♪

うまぁぁああ 2

足裏のテーピングが剥がれそうになっていたので靴下を脱ぐと、パルさんがテーピングしてくれました!あぁ優しい!!一人で挑戦することも大切だけど、こうやって仲間と一緒に協力し合えるということも100マイルの魅力ですね♪フルじゃこんな余裕はないですよね(笑)パイセンのタイムを聞くと2周目は4時間30分くらいまで落ちたもののなんと2位をキープ!!なんちゅうやっちゃ!!パイセンのタイムを聞いて気持ちが昂り、愛情いっぱいソーメンもそこそこに出発しました。

「ミフィオー!次帰ってくるのは5時間後なぁ!」

↑よく考えるとおかしな会話ですねw


ちなみにこれがミフィオの基地

勢いよく走り始めるも、あれ?足が重い・・・。100マイルでこの感覚がある時は絶対ムリしては行けません。その時のオレはタイムや順位に目がくらみ冷静になれませんでした。つい次も5時間以内で走る事を考えてしまい、足の重さをごまかして登りをガンガン進んでしまいました。

すると身体は正直なのでダメージが必ず後で跳ね返ってきます。トレイル区間から身体に異変が顕著に出始めます。足が上がらなくなり馬力がほぼゼロに近いです。ジェルは1時間おきに一つ、15分おきに自作ジェルを一口補給しているのでハンガーノックでは無いはず。では一体原因は・・・

疲労です。

当たり前ですね。よく考えると既に10時間以上経過し、激しいアップダウンのあるコースを70km以上走っていることになります。周回コースは時間感覚が麻痺し、何周目かということに気をとられ走行距離を気にしないまま走ってしまいます。事実、レース中全くGPS時計の距離表示を見ませんでした。それよりもあと何周かという事や、もうすぐで林道エリアに出る!などとエリア別に考えていました。なので、冷静に考えると疲労が出てて当たり前の距離、時間帯なのでムリをして攻める必要はなかったのです。しかし、この時はタイムや順位に期待してしまい、多少足が重くても足を止めることはありませんでした。

トレイル区間で何とか2000mを超え最高地点に近づくと、呼吸が浅くなり頭もフラフラとして吐気を覚えました。なんだか高山病のような症状です。しかしいくら標高が高いとはいえ、2000m超での高山病は聞いたことがありません。最高地点にフラフラになりながらたどり着くと、OSJの大会スタッフの方がおられるのですが、「低気圧が来ているから高山病も気をつけないとねぇ。」と言われました。もしかするとほんとに高山病だったのかもしれません。まぁこんな過酷なことをしているのでそれだけが原因なはずは無いですが(汗)

下り始める頃には辺りが暗くなり始めました。ヘッドラを着用して慎重に下ります。無事にエイドへ到着するとエイドの方に「夜は霧雨の予報が出てるから気をつけてね」と言われました。深夜からの雨はかなり危険です。となると今のうちにできるだけ前へ進んでおきたいところですが、帰りの舗装路区間Cの登りでは全く足が動かず歩き倒してしまいました。歩くと睡魔が襲ってき始めました。

林道の下りではかろうじて足が動き始めたので、ようやくまともに走ることができるようになりました。後ろのランナーに追われて下っていきましたが次第に調子が戻ってきて後ろとの距離をどんどん離しながら下って、スタート会場へと戻ってきました。

タイムは5時間50分くらい。1周目・2周目に比べ一気にタイムが落ちています。休憩はほとんどしていませんが、やはりだらだら歩く区間が多くなると一気にタイムが悪くなりますね。



4周目 約7時間》
3周目を終えるとミッフィーさんが出迎えてくれましたが、パルさんはいません。それもそのはず。パルさんはパイセンのペーサーなので、4周目に先に出発したパイセンとともに行ってしまいました。

緊張する焚き火じじぃ

上の写真はパイセンとペーサーとして出発する前にミフィオが撮ったものです。アームウォーマーをゲイターとして使用したそうです(笑)2位で3周目を終えたパイセンのペーサーをする訳ですから相当緊張していたと思います。果たしてこの二人組もどうなるのでしょうか・・・

話を戻します。3周目を終えてスタートゲートをくぐる時に、意外な言葉がアナウンスをしてくれているOSJの滝川さんの口から飛び出します。

OSJ滝川さん「現在15位ですよーーーー!!!

え?このタイムで?

2周目までの調子が良かった時は確か20位前後をウロウロしていたはず。3周目でかなり失速したのでかなり順位を落としていたと思っていたのですが、逆に順位が上がっている。これは意外でした。となると、周りのランナーも同じように失速しているのか・・・。

もしかしたらまだ狙えるかもしれん!

ウソのように疲れが吹っ飛びヤル気が出てきました。そしてミフィオのとこへ補給しに行きます。ソーメンとおにぎりとパイナポーを用意してくれていました。


温かいだしにソーメンをつけて食べると五臓六腑にしみわたるウマさ。そしておにぎりもこの温かいだしに入れてほぐして食べてみると、ウマー!!!なんじゃこりゃ。パイナポーも口に放り込みます。やはりウマいものを食べると力がみなぎってきますね。ミフィオにお礼を言って出発しました!

「次は頑張って6時間後くらいに帰ってくるわぁ!」

↑やっぱりおかしな会話ですねw

とは言ったものの実際は5時間で帰ってきてやるくらいの意気込みでした。スタートから14時間近く経過し時刻も20時頃でしたが、不思議な事に足が軽くなり軽快な足取りで林道へ入っていきました。

林道区間Bへ入っても登りは歩きますが早歩きです。ミフィオのところで食べたおにぎりが効いたのか腹の中でエンジンがフル回転しているような感覚で、3周目のグダグダがウソのようにどんどん前へ進んで行けます。この林道区間だけでもかなりの5人近くを抜きました。そして舗装路区間Cに入っても調子は変わりません。下りなんですが、ほとんどのランナーがペースを落として走っていますが、こちらのエンジンは火を噴いて動いています。なのでガンガン下ってごぼう抜き状態。なかには周回遅れのランナーもいたと思いますが、かなりの人数を抜いたのでおそらくこの時点では一桁台の順位にいたはずです。

これはひょっとしたらひょっとするかもしれん

この時はあと一周半乗り切ればかなりの上位を目指せると本気で思っていました。トレイル区間に入ってもフラフラにはなりません。かなりキツかったですが、3周目のペースとは全く違います。結局最高地点に2時間30分で到着。これは2周目の時とほぼ同タイムです。となるとこのままいけば5時間を切れるタイムで4周目を終えることができそうです。これには自分でも驚きました。

ひょっとしたらじゃなくて、これはひょっとするで

登りは歩いても早歩きさえすれば5時間前後、もしくは5時間を切るタイムで周回を走れることに気づきました(最初からこれを実践していれば・・・)。しかし調子に乗ってはいけません。夜間での下りでケガをしてしまえば終わりです。慎重に慎重に・・・

んぁ?!

あ・・・

げ・・・・

下れない。着地とともに足裏全体が痺れるような痛みが起きて、それが全身に伝わってきます。マジかよ・・・。かなり慎重に下りましたが、やはり痛みというか痺れはとれません。かばうとどんどん足が上がらなくなってきました。体力は全然あります。しかし足がどうしても言う事を聞いてくれない。

舗装路区間Dに入っても全く走れず、足裏の痺れが今度はどんどん痛みに変わってきました。足裏の痛みは両足です。4周目からムリをしてガンガン攻めてしまったことが足にきているのでしょうか。タイムは狙えたはずですがこうなっては仕方ありません。歩いてでも4周目を終えてミフィオのところへ戻って一旦気持ちをリセットさせなければなりません。しかし、キツい。歩くと途方もなく時間がかかり、なおかつ恐ろしいほどの睡魔が襲ってきます。舗装路区間Cでは寝ながら歩いている状況で木の枝にぶつかったり、ガードレールに当たって我に返ったりという状況が延々と続きました。恐らくふらふらでほとんど進んでいなかったと思います。ついには後ろから声援のような女性の声が聞こえてきますが、後ろを振り返っても誰もいません。幻聴でしょうか。夢の中を行ったり来たりしながら歩きました。

結局4周目は7時間近くかかって戻ってきました。不甲斐ないですが、仕方ありません。前半ムリした結果がこうして跳ね返ってきているわけです。これが今の実力です。



【レース2日目 10/11(Sun)】

5周目 9時間55分》
少し落胆気味で4周目を終えると、優しくミフィオが出迎えてくれました。なんだか我が家に帰ってきたような安堵感です。かなり気温が下がっているにも関わらず、寒さを我慢しながら外で帰ってくるのを待っていてくれました。雨が降りそうな雰囲気なのでレインウエアにレインパンツを着用。この足の状況ではおそらく5周目はほとんどの区間を歩いてしまうことになりそうなので防寒着もしっかりと着込みました。


食欲は全くありませんでしたが、サンドイッチと温めておいてくれたカフェオレをもらいました。んー、やっぱりウマい。温かい物はほんとに癒されます。かなりゆっくりしましたが、あまりゆっくりしているとここから動くことができなくなりそうなので出発します。すると・・・



ザー

雨です

出発と同時に本降りの雨に変わりました。予報の霧雨とはほど遠いしっかりした雨です。できるだけ早く戻ってきたいので小走りで行きますが、ダメだ。やっぱり足裏が痛くて走れない。というわけでムリせず最初の舗装路区間Aをトボトボと歩いていきました。

相変わらず眠気が襲ってきます。バス停の小屋の中でしばらく横になって休みましたが、止まるとめちゃめちゃ寒い!!「なぜ雨が収まるまでスタート地点で休憩しなかったんだ・・・」と悔やみますが、もう手遅れです。歩を進め林道区間Bへと入ろうとすると・・・

お疲れさまですー!!休憩していきませんかー??

ん?こんなとこにエイドなんてあったかいな??わしゃ夢でも見てるんでねーか?

夢でも幻でもありませんでした。男女お二人で夜8時頃から私設エイドを出されていて、仲間の応援に来たそうです。言われるがままに暖かいストーブのあるテントの中へ案内されると、みそ汁・釜飯・コーラ・ホットコーヒーと至れりつくせりの対応。東京と群馬から来られている方でお二人もウルトラやトレイルレースにも参加されているとのこと。結局楽しい会話で1時間近くもお世話になってしまいました(笑)これですよ。100マイルは。出会いというのも重要な要素です。

写真を撮ってもらいました♪

雨と寒さと眠気でかなり気持ちが折れていたので、ここでお二人に出会えたのはほんとに救われました。雨は全く降り止まないですが、これ以上お邪魔すると立ち上がれなくなりそうなのでお礼を言って出発しました。

まさかの私設エイドでリフレッシュし足がかなり回復したものの、相変わらず寒さと眠気で思うように進めません。林道のキツい登りはほんとに足が動かずフラフラしながら進んでいました。この辺りからリタイアという文字が頭の中を何度もかすめ始めます。

この林道でこれだけの消耗をしているようではトレイルに入った時にかなり危険ではないだろうか。

途中で動けなくなって低体温症にでもなったらどうする・・・。

リタイアを正当化するような考え方で頭が埋め尽くされました。どうしよう。でもとにかく第1エイドまで行かなければリタイアもできないのでとにかく前進し、第1エイドまでは頑張ることにしました。

そしてようやく第1エイドへ到着。スタート地点から7kmほどですが、ここまで3時間近く(1時間は私設エイドにいましたが)かかっていたことになります。エイドに着くと山の中で雨に降られて降りてきたランナーが身を寄せ合うようにストーブの前に集まっていました。よく見ると皆手がブルブルと震えています。おれも寒さに襲われていましたが、ここまでではありません。中にはそこでリタイアの車に乗る方もいましたが、進んでいく方もおられました。

オレはまだ頑張れるだろ。こんなとこで何やってるんだ。。

とは言うものの身体はなかなか言う事を聞いてくれず、椅子から立ち上がることができません。すると、2人組のランナーがやってきました。。

りょーくんやないか!!

「あっパルさん!!パイセン!!!!」

まさかこんなとこで会うとは思ってもみなかったので驚きました。パイセンはとっくの昔にゴールしていると思っていたので尚更です。聞くと4周目終了まではタイムが落ちながらも2位をキープしていたのですが、5周目で今までのムリが祟ったのか豪快にゲロったらしくフラフラでここまでたどり着いたとのこと。かなり辛そうでしたが、あとは林道と舗装路を下るのみ。最後のパワーを振り絞って出発していきました。

オレは何こんなことで弱音吐いとるんや

ゲロってもないし胃は人一倍元気やないか

よっしゃ。こっからが一番辛いところやけどそれが100マイルの醍醐味やないかい!!

結局パイセンは総合7位でフィニッシュ!!

パイセンがペーサーのパルさんとゴールの感動を分かち合っているちょうどその頃、おれはトレイルへの登りで苦戦していました。第1エイドを出発した時から一緒に走っていたランナーは遥か彼方へ行ってしまい、ついには見えなくなりました。ほんとにこの登りはキツかった。重力がおかしくなったんではないかと思うくらい身体が重く全然進まない。意識も朦朧としながら歩きました。上に行けば行くほど風が強くなり体力が奪われます。しかしじっとすればあっという間に冷えて低体温症の危険性もあります。どれだけ時間が経ったのでしょうか。ようやく最高地点を通過し下りが始まります。

しかし、着地を雑にすると4周目で起きたあの足裏の痺れのような痛みがまた再発してきました。この痛みのせいでまたもやスローペースで下っていきました。それにしても、これほどのスローペースでも後ろからランナーに抜かれることはありません。皆、オレと同じように大失速しているのか、それとも・・・

下りに入ってから徐々に雨が止み始めました。第3エイドへなんとかたどり着くと、エイドの方が総出で暖かく迎えてくれました。その中に、あれ?見た顔が!!

ああーーーーーー!!!!

そうです。私設エイドで小1時間も雨をしのがせてもらったあの男女2人組です!!思わず抱擁(笑)ここまできたら何があっても完走するしかありません。固い握手をしてお別れしました。FBで繋がることができたので関東遠征の際はまたよろしくお願いします!

ラストは舗装路区間Cと林道区間B、そして舗装路区間Aを進み切れば終わりです。しかしここからも足が動かなかった。ほんとは最後くらい小走りでも走りきって100マイルを走破した喜びを味わいたかったのですが、もう眠くて眠くて(笑)

てめーはずーっと眠い眠いって言ってるだろーが

というお叱りの声が聞こえてきそうですが、ほんとに眠かったんです。今までも虚ろな時は木が人に見えたり家に見えたりすることがありましたが、舗装路区間Cの延々と続く登りでついに幻覚を連続してハッキリと見出しました。レース初めに昨年このKOUMI100を走った方も幻覚を見たとおっしゃっていましたがこれなのか。。

遠くで旗を振っている集団がいる! → 木

あ!最後だからかな?沿道にたくさん人がいる! → すすき

ん?あんなとこに檻に入ったトラ?がいるぞ!あぶねーなー! →  草木

上記はほんの一例です。人に見えることが多かったので、幻覚というか、そうあって欲しいという願望が勝手に幻覚化させていたのかもしれませんね。つまめちゃくちゃ人恋しくなっていたと言えるかもしれません(笑)

最後のエイドでは今まで支えてくれたお礼を言って、最後のコーラを投入して林道区間をゆっくりと駆け下りて行きました。最後の最後でグネらないように慎重に。そして町へ降りてくると、未明から朝にかけての雨は何だったのか。かんかん照りの太陽が出ていてめちゃくちゃ暑い。最後はフィニッシュゲートまで走りきる!と心に決めて独りでウイニングランを楽しみながら走りました。


思えばこの辺りの景色を初めてしっかりと見たような気がします。レース最初は暗かったこともありますが、タイムや順位に夢中になり景色を楽しみながら走るということは忘れていました。レース中盤は完全に自分の走りができず目の前の道をひたすら追いかけていたような気がします。景色を楽しみ、コースを楽しみ、苦しみまで楽しんでしまうという

本来の「ひゃっほいランニング」ができたのだろうか?

もちろんそういうシーンもありましたが、レース全体として見た時に「ひゃっほいランニング」ができたという自信は全くありません。眠い・寒い・しんどい・足が痛いということを言い訳にレース終盤はあきらめに入っていた事は否めません。それがこうして当初の予定よりも遅いタイムとなって現れたのでしょう。おかしなものです。タイムや順位を気にして走っていたはずなのに、結局は当初の予定よりも大幅に遅れてしまう結果に。100マイルはやはりタイムを意識してはダメなんだと心底思います。あるランナーは1周目から5時間くらいのかなりスローペースで走っていました。3周目で抜かれたのですが、オレはこの時ヘロヘロ状態。しかしこのランナーは1周目とほぼ変わらないイーブンで走っていて、何よりニコニコしながら元気に走っておられました。それからはお会いする事はありませんでしたが、あの調子であればおそらくかなりの上位でゴールされているでしょう。当たり前ですが、100マイルはやはりフルやハーフと違って距離が長い。練習で100マイルを走れる事もなく、どれだけ鍛えている人間でも精神的に限界がくる距離だろう。だから焦らず自分と向き合って走らなければ結果は出ないのかもしれない。未熟にも関わらずレース序盤から他人と争って順位やタイムを意識して走っていた自分が情けない。自分と向き合って旅をできるのが100マイルの魅力なのに。やっぱ悔しい。



そんな事を考えながら小海町の山々を眺めながら走っていると、徐々にフィニッシュゲート近づいてきました。すると前方に人影が!目をこすりましたが今度は幻覚ではなさそうです(笑)

ミフィオーーーーー!!

彼、、いや彼女が居なければ間違いなくここまで走りきる事ができなかった。当初はペーサーとして参加してくれるはずだったミフィオ。でも足を怪我してしまい走れなくなってしまった。それでも明るく最後まで不眠不休でサポートし続けてくれた。ランナーと同じように夜は寒く、雨に降られて辛いシーンもあったはず。眠くてもゆっくり眠ることができなかったはず。それでもいつもここに戻ってくれば笑顔で迎え入れてくれた。もはやオカンのような存在(笑)

最後は一緒に走りたいとペーサーのゼッケンまでつけて待っていてくれました。オレの最周回がめちゃくちゃ時間がかかったのでウロウロしまくってたらしいです。スンマヘン。一緒に走りながらミフィオに質問された。

どう?100マイル走りきった感じは??

この質問に口ごもる。

KOUMI100は周回コースなので、延々とグルグル同じ場所を走っていたからか距離感が全く感じれない。ようやく終わったという実感のみ(笑)。思えばレース中もほとんどgps時計の距離を見なかった。それよりもあと何周とかここの林道区間を越えようとかそういう意識。こういう経験は初めて。だからミフィオの質問にはこう答えるしかなかった。

正直、全く実感がない(爆)

そして、何度見たことか、フィニッシュゲートが近づく。

そして……

一緒にひゃっほいフィニッシュ!

31時間45分22秒
総合20位/150人?
30代男子9位


《フィニッシュ後》
フィニッシュゲートをくぐるとOSJの滝川さんが「20位!!」とアナウンスしくれました。ほぇ??このタイムで??信じられませんでしたが、実はほとんどの方が深夜の雨でリタイアしたそうな。通りで5周目はほとんどランナーを見かけなかったわけだ。完走できてよかった!それにしてこの滝川さん、不眠不休でずっとアナウンスしていたはず。いつもは遠い存在でしたが、今回で名前を覚えてもらえたかな??(笑)そしてパルさんとパイセンが迎えてくれました!パイセンは5周目で胃と足の不調で苦しんだものの総合7位で、年代別1位!!さすがとしか言いようがありません。ゴール後はそばを食べたりランナーたちと談笑させて頂きました♪また何かの大会でお会いできたら嬉しいですね!


翌日が祝日だったのでこの日はもう1泊して翌日帰りました。帰りには山梨県立まきば公園へ寄って

富士山を見て

自撮りして

羊と触れ合い

馬と触れ合い

馬刺を食って(笑)

あれ?


楽しくドライブして帰りましたとさw


【あとがき】

なんとか今週中に書き終えることができました!さて明日からOSJ最終戦の氷ノ山山系トレイルレースへ向けて出発です。昨年も出た(その時のブログはコチラ)ので今年はできるだけ良い結果残したいところですが、さすがに100マイルを走ったダメージはでかすぎる。幸運にも怪我や故障はないですが、足裏の痛みはまだ残っていつ走れなくなるのかと結構不安です。もちろん足は激重でしょう。でも、74kmといえばKOUMI100で言う所の2周半。そう思えば何だか楽勝のような気がしてきました(笑)氷ノ山は景色も最高やし本来の「ひゃっほいランニング」を実践して、最後の林道20kmで爆発できればそれなりの結果が出るはず。今回は初心に帰って、タイムや順位は気にせず、楽しみながら走って結果が出れば儲け物的な感覚で走ろうかな。


たまには

肩の力を抜いて

ひゃっほい

したっていいんじゃない?


それでは最後にリタイアして荷物をまとめたヒマ兄の画像でお別れです

アディオス!


コメント

匿名 さんのコメント…
初めまして!偶然こちらのブログにたどり着きこの記事を読ませてもらいました。世の中にはこんなに走る人、走れる人がいるのだと驚きました(バカな感想ですみません)この記事を読み終わった後、ロードムービーを一本観終わったような清々しさがありました。とても面白ろかったです。走る事とは縁遠い生活をしておりますが、また、ブログ読みに来させてもらいます。頑張って下さいね。
ひゃっほい太郎 さんの投稿…
コメントありがとうございます!こうして知らない方に少しでも、全力でバカな事をしてる人がいるという事がお伝えできれば、ブログ冥利に尽きるというものです。特に走る事とは縁遠い生活をされている方に読んで頂けるなんて嬉しい限りです。

ロードムービー!まさに今新しく編集中のブログにもその言葉を書き込んでいたところです。「ロードムービーを1本見終わったような・・・」自分にとってこれほどの褒め言葉はありませんよ(笑)長ったるくて読みにくい記事が多いですが、ぜひともこれからもよろしくお願いします。