2023-24 STMダブル760K ②結果まとめ

第8回 小江戸大江戸200K 2018〈230K〉その⑧ 〜レースレポート小江戸・後編〜

第8回 小江戸大江戸200K 2018〈230K〉その⑧ 〜レースレポート小江戸・後編〜



レースレポート小江戸前編
からの続きです


12:21頃(04:18:31経過)
avg.4'59/km
51.8km地点
浄恩寺ASを2位通過

もしかして緑鬼さんすか?!

エイドに入る直前で緑色のアフロのすらっとした長身の方とハイタッチ。緑鬼さんとはミフィオのハンドラーとして参加した神宮24時間以来の再会だ。今回は応援(スタッフ?)として大会を支えて下さっていた。ちなみに緑鬼さんは小江戸大江戸から1週間後の古河はなももフルで初サブスリーを達成することになる(おめでとうございます!)。

久々の再会を懐かしんでいる暇もなくエイドに入ると、先頭を走っていたランナーがちょうどエイドを出発しようとしていた。

「ひゃっほい君に追いつかれたぁぁあ!!」

彼は自分の顔をご存知なのか出合頭にこう言われる。面識がないので少し戸惑ったがゼッケンを見て確信に変わる。昨年の230K優勝者だ!

確かここから次のエイドまで約20キロ。500mlを満タンにするとすぐにエイドを出発。しばらく走ると追いついたので声をかけた。

「230Kチャンプのガンちゃんですよね?」

しばらくおしゃべりしながら走る。少し足取りが重そうだったがミフィオから聞いていた話ではガンちゃんは超人ランナーなのでいつ復活してもおかしくない。昨年の神宮24時間では20時間で200kmを走ってトップ争いをするなど注目を集めた方だ。しかもハンドラー(サポート)なしで。また、毎週のようにフルに出ては毎回サブスリーしているという超人(変人)っぷり。
※小江戸大江戸から一週間後の古河はなももフルで宣言通りサブスリーをしている((((;゚Д゚)))))))

元気いっぱいガンちゃん

そんな方だから、先行しても全く気が抜けなかった。いつ足が復活して猛追してくるか分かったもんじゃない。今のうちにできるだけ離しておかなければ。また自然とペースが上がる。

延々と国道沿いを走る。多少のアップダウンはあるが、登りといっても橘湾に比べたら雲泥の差だ。もはやド平坦と言っても問題はないはず。

頑張れーー!!!!

時折、スタッフの車なのか他のランナーの身内の方なのか、国道を走る車から怒声のように声援が飛んでくる。うぉぉぉおい!!慌てて手を挙げ返事を返す。前後にはランナーの姿はない。でも見てくれている人がいる。そう考えると足がふっと軽くなった。

今レポを書きながらこの区間で何かあったかいな...としばらく腕組みをして考えてみるも何も思い出せない。頭に浮かぶのは、走り行く車の土埃が舞う国道、真正面から受け続ける風の音、止まらざるをえない交差点や歩道橋などなど。


14:04頃(06:01:45経過)
avg.5'01/km
72.0km地点
唐子ASを1位通過


トイレに案内されるの図
photo by 小江戸大江戸FB

スタッフの方に誘導してもらいエイドに入ると大勢の方に出迎えてもらえた。すぐにトイレへ行き用を足すと顔を洗う。ベトベト。想像以上に自分の身体から塩が吹いている。慌てて首筋や腕、足に軽く水をかけて冷却する。

うどんありますよー?

昨年ここで食べたうどんの美味さを知っているので、断るのは苦渋の決断だったがここはぐっと我慢。代わりに目についたプリンをチュルっとひと飲み。その間、スタッフの方がずっとスマホをこちらに向けられているので動画っすか?と聞くとなんとライブ配信とのこと(笑)撮影してくれたスタッフの方とはこれからいく先々で声をかけて頂き、辛い局面で何度も助けられることになる。

この時の動画は→→コチラ※小江戸大江戸FBページ


お礼を言ってエイドを出発する。さぁあと20キロ走れば小江戸が終了だ。時計を見るとここまで想像以上のペースで来ている。昨年より15分近く速い。ただ感覚は昨年とは全く違う。かなり突っ込んだと感じた昨年と比べると、今年は淡々と走ってきた印象だ。まさにジョグ感覚。とは言え、後半大失速した昨年のイメージがイヤでも頭を覆う。しかも今年は昨年より30キロも長い(笑)

まだあと160kmもあるんやで…
ほんまにこんなペースで走ってて大丈夫なんか?

72km走ってきてようやく至極まともな事に気づく自分に笑うしかなかった。だからと言って、ここから極端にペースを落とすわけにはいかない。賽は投げられたのだ(使い方間違ってそう)。いやいや、何考えてんだ俺は。余計なことは考えず今はとにかく川越を目指そう。話はそれからだ。

不思議なもので、超ウルトラを走っていると『まともな考え=余計な事』になるようだ。確かに"まともな考え"をしていたら超ウルトラなんて走らないだろうし、こんなペースで走るはずがない。もちろん限度というものはあると思うが。


はうあっっっ

それは突然だった。

うっ。
やっぱりこのタイミングで来たか!

熱心な読者の方なら「またかよ」と愛想を尽かされたに違いない

数百メートル先にコンビニの看板があるのが見えた。助かった!!ただ、ちょうどコンビニの場所がカーブになっていて自分が走っている国道の右側にあるのか左側にあるのかイマイチ確証がない。腹の中でゴボゴボと配管が詰まったような音がしたかと思うと耐え難い便意が襲いかかってきた。あか〜ん。これはマジでヤバイやつや。

頼む!
右側であってくれぇぇぇぇええええい!!

昨年、東京のど真ん中で爆死しかけた思い出がよぎる。あの時は深夜だ。今は明るい昼間。ここで爆死すればどんな顔して川越に戻ればいいのやら…

よっしゃ、右側や!!

今年の運を全て使い果たした気がした。





完全に腹をくだしていた。国道に復帰すると急いで陀羅尼助を飲む。大峯早駈の参加賞でコレをもらってから愛飲している。おかげでその後はシモのことで悩まされる事はなくなった。

いくら腹を下したと言えど定期的な補給を怠ってはならない。そう自分に言い聞かせながらザックに残っていたおはぎ3つを口に入れる。うん。やはり美味い。もぐもぐタイム。「そだねー」と声に出してみるが喧騒にかきけされた。ゆっくりと咀嚼しながら先ほどの遅れを取り戻すかのようにペースを上げた。

何か飲み物はいりますかー??

川島インターチェンジのところで私設エイドを準備されている女性の方に声をかけられた。昨年は無かったので驚いた。コーラを頂く。どうやら今年は小江戸部門の方含め全体のトップに立っているらしい。昨年は小江戸部門を7時間30分ほどで走るランナーがいらっしゃったが今年は出られてないのだろうか。

落合橋を渡り、山田という交差点で右折すると細い道へと入っていく。進むにつれ人が多くなり信号で立ち止まることが多くなる。何度も止まっていると疲労感がどっと押し寄せてきた。蓮馨寺近くは観光地ということもあり凄い人の量だ。歩道から溢れ出すほどの人。交通量も多い。人混みの間を縫うようにストップ&ゴーを何度も繰り返していると見覚えのあるスタート地点に戻ってきた。


15:53頃(07:50:07経過)
avg.5'08/km
91.3km地点
川越ASを1位通過

小江戸まではウォーミングアップに他なりません。大江戸からが本番だと言ってもいいくらいです。いくらここまで速く来ても失速すればあっという間に後続に追いつかれてしまいます。それに夜間の時間帯が始まります。昼間と一転し一気に気温が下がります。睡魔や胃の不調もやってきます。失速どころか辞めてしまえばそこで試合終了です。はっきり言って恐ろしい事しかありません(笑) それでも走り続けるのはなぜなんでしょうか。大江戸編を書きながらその答えを探れたらと思います。コレや!という明確な答えなんてないでしょうけど...


残り141.4km


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